私が高校3年生の頃に、同じクラスのA子が自殺しました。
原因は大学進学の悩みだったそうで、A子と仲の良かった子は勿論、私も凄く悲しかった出来事でした。
私達は高校を卒業した後もA子の命日には必ずお墓参りへ行ったり、A子のお家へお線香を上げに行きました。
A子のご両親はいつも落ち込んだ様子でしたが、「A子の事を忘れないでくれてありがとう」と言ってくれました。
私達が20歳になった時に、クラス会を開く事になりました。
クラス会は大盛り上がりで当時の担任の先生も大変喜んでくださいました。
夜23時頃まで想い出話に花を咲かせていたと思います、A子の話しも出て「あの子も一緒に大人になりたかったね」と言っていました。
そしてそろそろお開きにという事で、それぞれ家路へつく事になりました。

私や他の数名は最終電車を乗り過ごしてしまったので、お酒を飲んでいない同級生に車で送ってもらう事になりました。
その道の途中には恐ろしい怪談で有名な場所があり、それはその場所を通ると憑りつかれ一緒にあの世へ連れていかれるというものです。
普段なら何とかその道を通らないように避けますが、運悪く他の道が工事中等で混んでいたので仕方なくそこを通る事になりました。
しかしその道を通っている最中に恐ろしい事が起きたのです。

車内ではラジオをかけていたのですが、先程までは綺麗に聞こえていたのがブツブツと途切れるようになってしまいました。
ただの偶然だ、電波が悪いだけだと皆で励まし合っていましたが、運転手が急ブレーキをかけていきなり車を止めたのです。
どうしたのかと思ったら真っ青な顔で「後ろ…後ろ…」と言います。
恐る恐る振り向くと、後ろの窓に顔の焼けただれ手足が蜘蛛のように多い、人のようなモノがべったりとくっついていました。
ソレはけたけた笑いながら窓を手足でドンドン叩いていて、今にも割って車内に入ってきそうな勢いです。
私達は皆、金縛りにあったように体が動かずどうする事も出来ずにいました。

ドンッ!ドンッ!という音が大きく響きその度にガラスがミシミシと音を立てて、いよいよ割られる!という時に女性の声が聞こえました。
「もう動けるから、大丈夫だから、早く逃げて」そう聞こえた途端に運転手も皆も体が自由になって、その場から去る事が出来ました。
もう大丈夫だろうという場所まできた時に「あの声ってA子だよね?」と誰かが言いました。

後日お礼も兼ねてA子のお宅へあの時のメンバーでお線香を上げに行くと、お母様が「○月○日の○時頃に、急にA子の仏壇がガタガタ揺れたの。何かあったのかしら」と言いました。
その日のその時間は正しくあの恐ろしい体験をした時で、A子が私達を助けてくれたんだと知りました。
優しかったA子のおかげで、本当に救われました。