もともと私は、生まれた時から霊感は全くありませんでした。というか、今でもありません。普段霊やお化けの類のものに遭遇することは、まず無いのです。
しかし、そんな私ですが、心霊体験をしたことがこれまでの人生の中で二度ほどあります。
まず最初に体験したのは、大学受験のために母と二人で東京のホテルに宿泊した時のことでした。
当時、山形県の田舎に住んでいた私は、慣れない東京都内を歩き回ったこと、そして、大学受験という大きなイベントを控えていたために精神的にも疲労が溜まっていたこともあり、とにかく疲れていたのを覚えています。
そのため、外で夕食を住ませホテルに着いた直後には、翌日の受験に備えるためにも早めにベッドに入ったのでした。翌日が受験本番日だという緊張はあったものの、疲れからすぐに眠りについたと思います。

そ して翌日、目覚ましの音で目を覚ました私がふと窓の方に目をやると、なぜかカーテンがレールから引きちぎられているではありませんか。前日の夜眠りにつく 前までは、そんな風ではなかったはずなのに、です。そして、私が起きた気配を感じた母ものそのそと起き出し、こう言いました。「アンタ、夜中のあれは何 だったの?」と。私には全く夜中の記憶なんて無く、さっぱり訳が分からず首を傾げるだけでした。

気になって母に詳しい話を聞いたところに よると、昨夜早めに眠りについたはずの私は、突然夜中の3時頃にベッドから起き上がり窓際へ立つと、おもむろにレールから引きちぎられるほどに強い勢いで カーテンを引っ張ったらしいのです。その勢いと大きな音に驚いて飛び起きた母は、私に「どうしたの?」と話しかけたそうですが、私の方は全く母の声が聞こ えていないようだったそうで、ただただ引きちぎられたカーテンの隙間から窓の外を眺めたまま突っ立っていたそうです。その後、しばらくして私はまた何事も なかったかのようにベッドに戻り、再び眠りについたそうですが・・・。

そんな母の話を聞いても、昨夜の出来事については全く覚えのない私 が、ふと私が寝ていたベッドに目を向けると、ベッドの側面に真っ赤な血のようなものがベットリと付着していました!夜中の私の不可思議な行動と、このベッ ドの血のようなものとの因果関係は不明ですが、それでも普段寝ている間に無意識に起き上がって動き出したりすることのない私にとっては、きっとその二つに は何らかの関係があるように思えて仕方がありません・・・

次に体験したのは、私が無事に大学に合格し、東京で一人暮らしを始めて間もない頃のことです。
当時私は、大学から徒歩15分ほどのアパートに住んでいました。東京の割にとてものどかで緑の多いエリアで、私の住むアパートから徒歩30秒ほどの場所には、都内でも大きな規模の霊園がありました。

霊園といえども、外周には木々が植えられ緑で溢れていたため、外からはほとんどお墓は見えず、あまり「ここが霊園なんだ」ということも意識することなく日々を送っていました。一人での新しい生活に慣れてきた頃には、散歩がてら霊園内を歩くこともあったほどです。

しかしそんなある日、朝アパートのベッドの上で目覚めてみると、私の枕元になぜか友人にお土産でもらったキャンドルが落ちていました。落ちた場所があと数センチ逸れていたら、寝ていた私の顔面に直撃し、私の顔にはたんこぶか痣ができていたことでしょう。

そ して、そのキャンドルというのが、ベッドが面している壁にもともと備え付けられていた棚に普段は飾ってあったものなのです。その棚は、後から取り付けられ たものではなく、そのアパート(新築でした)に入居した時から、取り付けてあったものなので、グラグラしていたり、傾いていたりということは全くありませ んでした。もちろん、私は一人暮らしをしていたため、私以外の誰かが私の顔面めがけてキャンドルを落下させたということも考えられません。その日、地震が 起こったというニュースもありませんでした。

一体、誰が?どうやって?何の目的で?

考えても答えは出ませんでした。
ただ、アパートの近所霊園がある事だけが、その時私の頭に浮かび背筋がゾッとしたことを覚えています。