学生時代が終わり就職活動が始まったのですが、
面接を受けて企業に無事就職が決まり、
社会人生活が始まった時の事です。
まだ世間の事も分からない20前後の事で、
新入社員と言うこともあり地方を転々として、
支社を回りながら仕事を覚えていく日々が続いていました。
地方勤務も与えられていたので、転勤の度に住まいも変わり、
色々な場所に住居を構えていました。
当時は会社の社員寮にも住みましたし、
時には与えられたマンションに住居を構え、
住まいが変わる度に拠点を移し、
仕事と新しい住まいとの両立の日々でした。
そんな仕事三昧の続いたある日の事ですが、
また地方に転勤を命ぜられ、
支社が変わるという事もあり、
また会社から与えられた住まいに拠点を移す事になりました。
新しい住まいは今までとは違っており、
マンションでも社宅でも寮でも無く、
2階建ての古いアパートでした。
鉄骨の階段を上がると廊下があり、
昔からある、一般的なアパートの風貌を兼ね揃えた建物でした。
建築年数も古く、トタン屋根が印象的で見るからに歴史のある建物で、
年期が外観からも伺える昔ながらのアパートです。
トイレはありましたが風呂は無く、
とてもシンプルな部屋で6畳が一つあるお部屋です。
早速、荷物を部屋に運び入れ生活が始まったのですが、
慣れない地で一人暮らしと言う事もあり、
寂しい気持ちもあったので、
同じ会社の友人を部屋に呼んで見る事にしました。
早速、友人が遊びに来てくれ、
一緒に一階から二階へ続く階段を上がろうとしたのですが、
なぜか友人の足が一階の階段で止まり、
上に上がろうとしないで立ち止まっていました。
私は上の2階の廊下で待っていたのですが、なかなか上がってこないので、
どうした早く上がって来いよ、
と声を掛けましたが、それでも上がって来ません。
そこで、どうした、と訴えかけるように語り掛けると、
一言、上がりたくないと言い出しました。
おかしな事を言い出すので思わず、何を言ってる、と言うと、
なんだか恐くて嫌な予感がする、と神妙な感じで言い出すので、
馬鹿な事を言うな、と言い、無理やりに手を引っ張り、
強引に部屋に連れて入ることにしました。
部屋に入ると、お茶を飲みながら会話をしていたのですが、
友人の様子がさらにおかしくなり、周りをキョロキョロしながら、
落ち着かない様子で辺りを伺う感じでした。
あまりにも様子がおかしいので、
一体何があるの、と聞くと、誰かに見られていて何かが居ると言い出しました。
そんな馬鹿な気のせいだよ、と言って話を変えましたが、
一向に落ち着く様子がありません。
その後、2時間ぐらいで友人は帰って行きましたが、
友人の様子がとても気になってしまいました。
その後一人になり夜も遅くなったので就寝をする事になりましたが、
自分が世にも恐ろしい体験をするとは思ってもいませんでした。
電気を消して布団に寝ていたのですが、
とても寝つきが悪く疲れたのか、少し息苦しい感じで中々寝付けませんでした。
すると、足元に何かがいるような気配がしたので、
何気なく顔を上げてみると、
透明な感じで透き通った人物が立っているのが見えました。
思わず目が点になり、恐くて反射的に布団の中に顔を埋めたのですが、
布団の上に乗ってくる感じがしたので、
無意識の内に布団を跳ね除けて、転げながら部屋の中を逃げ回りました。
部屋のどこに逃げても前から迫ってきて、
私を捕まえようとする感じがしました。
顔ははっきりと見えませんが全体的に白く霧が掛かった人物です。
恐くて悲鳴を上げながら逃げ回りましたが、
最終的には逃げられないと思ったので、
2階の窓から飛び降りようと思い、窓を開けて足を片方投げ出しました。
その瞬間に我に返り、目が覚めたような感覚で気が付きました。
飛び降りようとした瞬間に地面が目に写り、
目が覚めたような感じです。
一瞬、何が起こったのか判らなかったですし、
夢を見たのかと思ったのですが、それにしてもリアルすぎます。
実際に部屋の中が散乱をしており逃げ回ったのは事実です。
それと、昼間に友人が訪れて、2階に上がりたくない、
何かが居る、と落ち着かない様子もあったので、
この場所で何かあったのかと思うようになりました。
その後、2ヶ月ほど住みましたが、
恐怖体験が忘れられずに夜は電気を消して寝られなくなりました。
今でも思い出すと眠れない体験でした。